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有機栽培の土作り:太陽熱養生処理を行いました

2019.09.05

こんにちは!
今年の4月から半農半X担当として活動している三村です。

着任当初から有機栽培を一つの軸として動いています。3年後の協力隊任期満了までに複業を軌道に乗せて(=複数小さく稼ぐ力を身に着けて)、香春町に住み続けられたら良いなと思う今日この頃です。

僕自身、2017年に半年間、徳島県にて植物生理学に基づいた有機栽培の理論と実際を学んだことが基礎になっており、香春町でもオーガニック野菜を少量多品目で栽培しています。

実験的に、レモンの苗木x4、パパイヤの苗木x5、アボカドを種から育てていたり、この記事を書いているお盆時期には秋(10月)収穫用のトウモロコシの種を植えたり、上手く生育するかはわかりませんが色々調べつつ実践しています。

8月お盆時期の畑では中玉トマトが良い感じ

着任した4月より、数年~十年(?)程、栽培が行われていなかった畑を実験圃場として有機栽培ができる畑に蘇らせています。作物が丈夫に育つ為には、土の状態を整えてあげること(土壌改良)が、植え付け前の準備として必須です。

というわけで、5月初旬に以下のことを行いました。

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【目次】
 1. 太陽熱養生処理とは
  1.1. 有機質資材のすき込み
  1.2. 有用微生物の培養
   1.2.1. 納豆菌
   1.2.2. 酵母菌
  1.3. 微生物の散布
  1.4. 透明マルチ張り
  (1.5. 太陽熱養生処理の補足説明)

 2. 編集後記
_________________

 

【1. 太陽熱養生処理とは】

「太陽熱養生処理」とは簡潔に言うと、太陽熱(直射日光+発酵熱+蒸気の熱)と微生物の繁殖力を利用して、①病気、害虫、雑草を抑制し(熱消毒と雑草種子の死滅)、②土がフカフカになることで作物の根の張りが良くなり(土壌の団粒化)、③有機肥料成分の供給が効果的になされる(保肥力と排水性の向上)、効果的な土作りの手法です。効果的には太陽熱消毒に似ています。

太陽熱養生処理の様子

手順としては「①微生物の餌や住処となる有機資材のすき込み」を行い、同時に「②微生物(酵母菌と納豆菌)の培養」をし、「③微生物散布」後に「④透明マルチを張り」太陽熱養生処理の準備が整います。

徳島県で学んだ、微生物の培養やその使い方、太陽熱養生処理については友人がブログ記事にまとめているので非常に参考になります。↓↓

中熟堆肥を使った太陽熱養生処理で根の活力アップ

農業で活用する微生物(納豆菌・酵母菌・放線菌・乳酸菌etc..)

微生物(納豆菌・酵母菌・乳酸菌)を培養して液肥を作る

 

【1.1. 有機質資材のすき込み】

狙いは微生物が増殖する為の餌とその住処づくりです。

まずは土が乾いている状態で、有機質資材(微生物の餌と住処:米ぬか、牛糞堆肥、麦わら、酸性に傾いた土壌phの改善:牡蠣殻石灰)を散布し、管理機(小型手押しの耕運機)ですき込みを行いました。

牛ふん、鶏ふん、牡蠣殻石灰のすき込み

麦わらのすき込み

【1.2. 有用微生物の培養】

次に、納豆菌(バチルス菌)と酵母菌の培養を行いました。

【1.2.1. 納豆菌(バチルス菌)培養】

準備するもの:
・清潔な2ℓ空ペットボトル
・納豆1パック (多めに設定)
・砂糖100g (菌の餌、多めに設定)
・豆乳50cc (菌の餌、多めに設定)
・純水(井戸水を利用、塩素のない水であれば良い)

納豆菌培養の材料(これに砂糖も必要です)

手順微生物を培養して液肥を作るより引用)

1.水の重さの3〜5%の糖とミキサーで砕いた納豆(もしくはかき混ぜて、豆をザルでこした納豆液)を、純水にいれます。
2.無調整の豆乳を加えます。
3.金魚飼育に使うミニヒーターとエアレーション器具を入れ、30℃を保ちます。(エアレーションの目安は体積の1%程度)
4.栄養状態がよく温度も充分であれば、1個の納豆菌が16時間後には40億個になっています。

【1.2.2. 酵母菌培養】

準備するもの:
・清潔な2ℓ空ペットボトル
・ドライイースト 10g
・砂糖100g (菌の餌、多めに設定)
・純水(井戸水を利用、塩素のない水であれば良い)

酵母菌の培養

手順微生物を培養して液肥を作るより引用)

1.水の重さの3〜5%の糖とドライイーストを純水にいれます。
2.密閉容器に入れ、30℃を保ちます。(常温でも可)
3.18時間待てば完成です。(なるべく24時間以内に使用すると良い)

今回行った培養:

2ℓのペットボトルにそれぞれの準備物を投入します(今回、納豆はミキサーで粉砕)。軽くキャップをしてお風呂などで30℃程のお湯を張り、浮かべます。温度が徐々に下がるので、今回は人肌ほど(36℃)の温度で行いました。

酵母菌は培養の瞬発力が早く、嫌気状態で増殖するのですが、炭酸ガスを多く発生させるのでキャップを密閉せずにガスが抜ける程度で軽く締めておきます(もしくは都度ガス抜きをする。密閉しているとパンパンになるので破裂しないよう要注意!)。甘いアルコールの匂いがして炭酸ガス(泡)が発生していれば、上手く培養が進んでいます。

納豆菌の方は好気状態で増殖するので密閉はしません。炭酸ガスを発生させないので、見た目の変化はさほどなし。

完成した酵母菌(左)と納豆菌(右)

【1.3. 微生物の散布】

培養後は18時間~24時間程の培養が一番良い畑への撒き時です。

今回は中熟堆肥を入手できなかったので、完熟堆肥に加え、麦わらを微生物の餌(セルロース⇒糖)として投入し、培養した納豆菌(通性好気)と酵母菌(通性嫌気)を散布しました。作業日前日は強い雨だったのに加え、追加で水も多めに散布し、50%ほどの水分量になるようにしました。
※水分量が少なすぎると温度が上がらず発酵・分解が進まないので水分調整は特に重要。

納豆菌と酵母菌を散布

【1.4. 透明マルチ張り】

仕上げで、透明マルチを張り、マルチ止めのピンを打ちながら土をマルチの端に掛けていきます。内側の水分と蒸発熱を逃げさせないために密閉させることがポイントなので、淵を土でしっかりと固めていきます。この作業が人力だと結構大変で、手押しのマルチ張り管理機(マルチャー)があればだいぶ楽になります。人力でも二人でやればより捗ります。

一畝分マルチ張り完了

透明マルチの内側に水滴が見えます。触れると非常に熱く、温度が上がっていることを確認できました!

マルチ張り完了

手間はかかりますが、ちょっとした原因で失敗する(無駄になる)こともあるので抜かりなく作業を終えました!

※ただ、これだとマルチを張っていない畝間に雑草が生い茂ってしまい、8月現在大変なことになっています。。。

補足:このように全面に張る方法であれば畝間の雑草に悩まされません。

 

【1.5. 太陽熱養生処理の補足説明】

以下、興味のある方向けの太陽熱養生処理の詳細補足です↓↓

太陽熱養生処理のポイント:
太陽光が多い時期(夏季)に、微生物の餌が多く残っている中熟堆肥と有用微生物を投入、畑の土壌水分を50%~60%(多少多めでも構わない)になるよう散水し、地表から5㎝のところで積算温度が90℃程度になるまで透明ビニールマルチを張り密閉をします。夏場は約1か月程が目安の期間です。

太陽熱養生処理をする狙い:
① 土壌団粒の促進により根張りを改善し、光合成能力を上げる。
② 土壌病害虫と拮抗する有用性微生物を増殖させ、病気の発生を防ぐ。
③ 水溶性炭水化物を供給することにより、生育を向上させる。

太陽熱養生処理後の効果:
・土がフカフカになる(炭酸ガスによる土壌団粒化)
・病気、虫害が減る(太陽熱と有用菌の働き)
・雑草の種が死滅し、除草の手間が激減する(太陽熱)
・土壌有機物の分解が進む(肥料成分に変わる)
・投入した有機肥料が効きやすくなる(水溶性として溶け出す)

【編集後記】

初投稿でやや難しい内容になってしまいました。。。 栽培の専門的な説明が多いかなと思いつつ、有機栽培に興味のある方や、実際に作っている方に、こんな方法もあるんだ程度で読んでもらえたら良いなと思い、書いてみた感じです。 もう少し簡潔に書ければ良かったのですが、まだまだ物書き修行が足りてませんで。

次回はより簡潔に書きます! まだまだ動き始めたばかりですが、書けそうなテーマは現在企画段階の「ダンボールコンポスト(今年)」「合鴨稲作プロジェクト(来年)」「自然養鶏」「わな猟の猟師になる(免許取得済み!)」などなど。

今は点をいくつも作っている段階で、先々の目標とする「循環型農園」づくりに向けて、積み上げたものが線で繋がるように構想を練って動いています! 一人でできることは本当に限られているので、地域の方や役場の方、何かの縁で関わる様々な方に助けてもらいながら活動を進めていけたらと思っています。

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