空き家をアトリエに。「自然や人との程よい距離感が心地良い」
2024.04.29
福岡県の香春町に暮らしている方や移住(Iターン、Uターン)をしてこられた方、ナリワイをしている方などを紹介する“カワラびと“。
今回は、香春町採銅所地域で金工作家として活動している、石橋さんにお話しを伺いました!
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【プロフィール】
石橋貴子さん(北九州市在住)
金工作家として自身のブランド“Between“にて活動。
香春町採銅所エリアの空き家を自らリノベーションし、アトリエ兼ショップとして運営をしていらっしゃいます。
大学卒業後に関東で就職、その後地元北九州市にUターン。
ものづくりが好きな気持ちから銀粘土を使用したアクセサリーの製作をはじめる。
イベント出展やブースでの販売を経て、2015年から約5年間、北九州市門司港に店舗を構える。
理想の製作環境を求めて、2021年から香春町の採銅所エリアにある空き家のリノベーションを開始、2022年7月からアトリエ兼ショップとしてオープン。
ー採銅所でアトリエを開こうと思ったきっかけを教えてください。
もともとは製作に集中できるような環境を求めて、北九州市を中心に近隣の地域で物件探しを始めました。人里離れたような空き家をショップも兼ねたアトリエとして使えたら理想だなと漠然と思っていましたが、なかなか条件に合うような物件に巡り合うことが出来ずにいました。そんな時、たまたま採銅所駅を通りかかると「空き家相談承ります!」の看板を目にして、思い切って相談をしてみたところ、何軒か内見できる物件を紹介してもらいました。
その中の一つが今のアトリエとなっています。
ーなぜこの物件に決めたのか
主な理由は二つあって、まずは、駐車場が確保できるようなお庭があったことです。
お店としてオープンした時に、皆さん車で来られることが多いと思ったので、駐車場のスペースは必要でした。
そして、もう一つの理由が、縁側にある大きな引き戸です。内見の時にこの引き戸を見て、お店のイメージが自然と湧いてきました。外からも店内の様子が見えるので、とても良いなと思いました。
ー実際にどのようなリノベーション作業をされたのですか。
物件の中の掃除と外の駐車場の確保を最初にしました。
お店としての活用がベースにあったので、外のブロック塀を壊して、まずは駐車スペースを確保しました。
室内は、天井や壁、床を剥がして、断熱材を入れて床はり、壁張り、柱磨きなど一通りのことは父の圧倒的な協力のもと自力でやりました。また、店舗で使う什器(商品棚など)も製作しました。インフラ関係などは業者さんにお願いをしましたが、アトリエとしてオープンできるまでに全部で1年半くらいかかってしまいました。
店舗のところでも業者さんを入れれば、完成はもっと早かったのは間違い無いのですが、私の場合は、じっくり考えて色々迷いながらやりたかったので、時間をかけながらリノベーションを進めました。
ーアトリエを構える時に不安はありませんでしたか。
新しい環境づくりということで基本的にはワクワクした気持ちでいたので、あまり不安は感じませんでした。
ただ、知らない地域に入っていってお店を開くということなので、ご近所の方の反応などが最初気になりました。ありがたいことに当初から周りの方は温かく見守ってくださっていただいて、とても嬉しく思っています。
ー香春町にはどんな印象をお持ちでしたか。
北九州市小倉南区からトンネルを抜けるとすぐ香春町ですが、もともとは全く知らなかったんです。。。
車ではじめ来た時は、だんだん自然が多くなってきて、どこに行き着くのだろうと不安に思ってました。笑
でも、実際香春町に来て採銅所駅で相談してみると、ウェルカムな雰囲気が伝わってきて色んな人にもすぐ繋いでくださって、温かい町だなという印象を持ちました。
地域の案内や地元の人に繋いでくれる方がいるだけで心強かったです。
ー実際にアトリエを構えてみて良かったところはどこですか。
アトリエを持つということに対して、一番大切にしていたことは自分のペースを大切にした生活を営むということでした。なので街中ではなく里山などの環境の方が私にとっては心地よく過ごせるのではないかと思ったのです。
その点ですと、香春町の採銅所地域は程よいローカルさというか、自然や人との距離感が今の私にしっくりきているような感覚があります。
アトリエをリノベーションし始めた時に、地域の町内会長さんがご近所さんへの挨拶を一緒に回ってくださったのもあってか、周りの方から温かく見守られているなというのは、本当に思います。
ー現在困っていることなどはありますか。
採銅所地域は冬になると雪も降るので、寒さという点については思います。
あとは、日常的に猿がいたりするので、ちょっと怖いと思う時もあります。雨樋を猿が乗った時の衝撃で壊れてしまったこともありました。笑
山も近く虫もでるので、窓や扉を長時間開放するのも難しいと感じますね。
今はまだ構想中なのですが、いずれは二拠点生活みたいな感じで、アトリエでの生活も視野に入れているのですが、住居を前提としてのリノベーションをしていなかったので、現段階では整備が少し足りないのかな、とも思っています。
実際に住んでみることで慣れてくる部分や見えてくる部分があるのかなと思っています。
ー今後自分のような方に向けてアドバイスなどはありますか。
空き家物件の活用をする際には、業者さんにお願いをしてのチェックをするのも良いかもしれません。シロアリであったり雨漏りであったり、素人の私たちでは分からない部分も多いですし、今後のメンテナンスということも考慮してリノベーションをすることが大切かなと思います。
どうしても最初は理想を追い求めがちになってしまいますので。頼りになる業者さんがいれば心強いと思います。
私の場合ですが、物件探しの段階でもう少し色んな物件が出てくるのを待っても良かったのかな、とも思います。今の物件はとても気に入っているのですが、正直運が良かったというのもあるので、焦らず待つというのも手かもしれません。
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