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サルタヒコをやってみて

2018.05.23

こんにちは。香春町地域おこし協力隊のハマダです。

香春町のゴールデンウィークの過ごし方の一つが神幸祭。地元の人たちがお神輿を担いで、それぞれの地区を練り歩きます。

香春町の神幸祭は特徴的で、採銅所地区の古宮八幡神社の祭では杉の葉を拵えたお神輿(全国でもここだけ)で地区内を練り歩いたり、香春地区の香春神社の祭では勢いよく神輿を担いで回ったり、今回紹介する香春地区にあるもう一つの神社、須佐神社の祭では大名行列のような行列をお神輿の前に組んで練り歩いたりします。

さて、自分がサルタヒコとして参加した須佐神社の祭。ちなみに他の町内の神社と違い、この神社のお祭りは神幸祭とは言わず、祇園祭と言っています。京都の祇園社(現・八坂神社)から勧請した神社だかららしいです。

このサルタヒコの役は、20代・30代の男性が受け持つのがこの地域の習慣。でも、昔は年配者の役割だったらしいです。さて、九つの組(町内会)が毎年持ち回りで祭の主催を担当しており、今年が自分が住んでいるところの組の番。自分だけでなく、行列の先頭を歩く人たちは皆同じ組のご近所さんたちでした。

と言うことで、まだ香春町に移住してきて2年もしない自分にサルタヒコの大役が廻ってきました。自分でいいのかと思いつつ、この機会を逃すともう役は廻ってこないだろうし、近所の人たちもせっかくだしやってみなと背中を押してくれて、大役を仰せ使うことになりました。

こういった着物を着ること自体、あまり経験がなかったし、金髪のかつらや鬼のようなお面を被ったりで、なんだかハロウィンで仮装した時の感じが少しばかりありました。宮司さんから着付けしてもらったり、近所のおっちゃんから衣装の確認をしてもらったりと祭りに対する重責を感じつつ、こんな体験ができることを楽しみながら、祭の始まりを待ちました。

祭で、サルタヒコという日本神話にでてくる道案内の神様という役割で衣装を着て、街中を練り歩くことになったことを伝えるとわざわざ小倉から見にきてくれた友人たちもいて、単純に嬉しかったし、それまで香春町にきたことのなかった友人たちにこの町の一場面を見せることができたのかなと思います。

さて、須佐神社のお祭りは香春町の他の祭と同じく2日間に渡って行われます。1日目は神社での儀式を行って近くの地区を歩いて廻って、御旅所という神様の休憩場所まで歩く約2時間ぐらいのルート。2日目は初日に通ったルートの逆を歩いて神社に戻っていくルートを練り歩きます。

途中々々で沿道の人たちから水をかけられることも。最初は驚いたんですが、あとで聞いてみると清めの水として、神様が無事に地区内を回れることを祈ってかけるものだったらしいです。

お清めの水をかけられたり、神様の格好をしたりと、地区の中を練り歩く途中で何回か休憩を挟みます。組の皆さんが沿道に休憩場をこしらえて、おもてなしを受けます。単なる休憩ではなくて、「お接待」という名で地元の皆さんからちょっとした飲み物や食べ物を振る舞ってもらいました。

この町にやってきた(移住してきた)からこそ、2年前に移って来た時は考えることもできなかったサルタヒコの大役。衣装自体も重くなく、普段と違う服装で歩いて回ったり、沿道に多くの人たちがいたりする以外は普段と同じ町筋を歩いていただけだったので、あまり疲労感などは感じなかったです。でも、終わって衣装を着替えた時に感じた脱力感が、担っていた役割の大きさを表現していたのかなと思います。

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